マーベル映画といえば近年『マルチバース』を軸にした複雑な設定が続いていましたが、新作『スパイダーマン:ブランドニューデイ』の海外先行レビューでは、その流れから一転した“原点回帰”的な作風が高く評価されているようです。なぜ今、この作品が話題になっているのか、報じられている内容を整理しながら考察します。
海外の先行反応、「マルチバースの疲弊感」を払拭したとの声
米エンタメ専門誌のレビューでは、トム・ホランドが本作で「シリーズ史上最高の演技」を見せているとの評が紹介されており、物語についても「マルチバースの倦怠感を捨てた、地に足のついたスパイダーマン物語」と表現されています。(Variety)
近年のマーベル作品は並行世界や複数のスパイダーマンが登場する設定が続いていたこともあり、観客の間では「設定が複雑すぎる」「感情移入しづらい」といった声が上がっていたとも言われています。今回の作品がそうした“マルチバース疲れ”への一つの回答として受け止められている点が、話題化の大きな要因と考えられます。
ゼンデイヤの存在感が作品を支えているとの評価
英ガーディアン紙のレビューでは、本作を「ゼンデイヤがトム・ホランドの“半クローネンバーグ的”スーパーヒーロー映画を救っている」と評しており、ゼンデイヤ演じるキャラクターの存在感が作品全体のバランスを支えているとの見方が示されています。(The Guardian)
この表現からも、単なるアクション大作としてではなく、人間関係やキャラクターの内面描写に重心を置いた作りになっていることが伝わってきます。トムホランドとゼンデイヤという実生活でも交際が報じられている二人の相乗効果が、スクリーン上の説得力につながっているとの指摘も見られます。
「最も地に足のついた、成熟したスパイダーマン」との評価
Rotten Tomatoesがまとめた先行レビュー記事でも、本作は「これまでで最も地に足のついた、成熟したスパイダーマン作品」と紹介されています。(Rotten Tomatoes)
これまでのシリーズが青春群像劇的な軽やかさやマルチバースの壮大さを武器にしていたのに対し、本作は主人公の心理描写やドラマ性を重視した作りになっていると報じられています。ヒーロー映画としての規模感よりも、一人の人間としてのピーター・パーカーの葛藤に焦点を当てた作品として評価されているようです。
まとめ
『スパイダーマン:ブランドニューデイ』が話題を集めている背景には、近年のマーベル作品が抱えていた「設定過多」「規模の肥大化」への疲弊感があるように思われます。マルチバースという便利な装置を封印し、一人のキャラクターの成長物語に立ち返ったことが、批評家からの高評価につながったのではないでしょうか。
また、トムホランドとゼンデイヤという主演二人の関係性が話題性を後押ししている面も見逃せません。演技面での相乗効果が作品の説得力を支えているとの評価が続けば、公開後も口コミでの拡散が期待されます。今後は一般公開後の観客レビューや興行成績にも注目が集まりそうです。シリーズが再び原点に立ち返ったことで、長年のファンだけでなく新規層の取り込みにもつながるか、公開後の反応を見守りたいところです。