今、芸能界に強烈に吹き荒れる働き改革
昭和時代に無数いた寝る時間がない芸能人は、今は昔?
大手芸能事務所のアミューズ、吉本興業、LHDの3社が相次いで、労働基準監督所から是正勧告を受けていました。
いきものがかりが所属する中堅芸能事務所キューブに至っては、元社員が労働基準監督署に告発しに行くと言う珍しいケースもありました。
今回の件はテレビではほんの少ししか報道されません。
なぜかというと、それは自分たちも働き方が似てるものだから、どの面下げてって言われてしまうからです。
今回は大手の芸能事務所3社だけでしたが、中小企業に適用されるのは来年まで猶予があるのですが、来年以降は小さな芸能事務所だけでなく一般企業も危ないかなと思います。
決して対岸の火事ではなく、明日は我が身なんですよね。
タレントがマネージャーをこき使う時代も終了?
もうこうなってくるとタレントは、私用でどこか行く時にマネージャーを送迎に使ったりはできなくなってきます。
マネージャーと付き人の差別化はもっと激しくなるかもしれません。
ただし、付き人や師匠と弟子の関係で、本人が自ら望んでやってる事でも、これは労働時間にあたるのかどうかと言うと、深刻な問題になってくるかと思います。
LHDでは、マネージャーの移動時間も休憩できるように、自動車の運転を全て外注にしたらしいですが、これはかなりの経費がかかっていると思われます。
これだけの経費がかかるとなると今や働き方改革は会社にとって大きな変化になると思われます。
最近ではNHKの朝ドラの撮影が、期間を長くして1日の撮影を短くすると言う大きな動きもあるそうです。
音楽業界の感覚はいまだおかしい
音楽業界では今でも総労働時間が月500時間を超えているなんていうのはライブ制作関係者には、ざらにあります。
365日休みがないのが当たり前の音楽業界では、費用がライブツアー一本でいくらと言う契約になっていることが多いので、そこにメスが入ったらもうライブなどできなくなるのでは?言われています。
基本、タレントは少しでも多く働きたいと思って芸能界入りする人が多いのが普通ですが、マネージャーや裏方さんは、一般企業の社員としての位置づけもあるので、そのギャップが今後も問題になってくるでしょう。
どこまでが労働かという問題もあります。
例えば、ライブや、舞台のために、ボイトレや稽古、練習をしたりは、労働に含まれるのかということ。
本人たちは必要なことと分かっていても、時間を拘束する限り労働に当たるとなれば、今後は芸能事務所は経費が掛かりすぎて、タレントが育成できないという悲劇にあうかもしれません。
昔は、芸能の現場と言えば、高校の文化祭のノリがあり、お祭りの空気感があったのに対して、昨今のように働き方が制限されると単なるビジネスとしてしか見れなくなり、タレントに愛情をもって接する裏方さんが少なくなるのだけは避けたいものです。